テアニンの効能
テアニンは臨床試験において、様々な効果が確認されている。テアニンを摂取することにより、リラックスの指標であるα波の発生が30-40分後に確認されている。50mg摂取では不安傾向の低い人に、200mg摂取では不安傾向の高い人においてもリラックス効果が認められている。抗ストレスについても同様に効果が確認されている。人にクレペリン型暗算課題でストレスをかけ、ストレス負荷により変動する心拍数、唾液中の免疫グロブリンA、主観的ストレス感をみたところ、テアニン摂取でストレスの抑制が認められている。
睡眠に関しては、テアニン摂取により睡眠の質の改善が報告されている。中途覚醒の減少が認められたほか、被験者へのアンケートにより起床時の爽快感、熟眠感、疲労回復感の改善が認められている。月経前症候群(PMS)に関しては、PMS時のイライラ、憂鬱、集中力の低下等の精神的症状を改善することが報告されている。
その他にもカフェイン拮抗作用、血圧降下作用、記憶学習能力の向上、制癌剤の増強効果、脳血管障害に対する効果などが報告されている。
テアニンは、血液脳関門を通過でき、精神に影響を与える作用がある。また精神や肉体的ストレスを減少させ、カフェインとの相乗効果もあいまって認知活動や気分の改善もみられる。
構造的にはグルタミン酸(興奮性の神経伝達物質)と関係はあるものの、テアニンのシナプス後部細胞のグルタミン酸レセプタとの親和性は低い。
むしろ主な効果は抑制神経伝達物質のGABAを増加させているように見受けられる。
テアニンは脳内のドーパミンレベルを上昇させ、グルタミン酸レセプタ(AMPA型NDMA型)、カイニン酸レセプタへの親和力性は低い。セロトニンにかかわる影響は、学者の中でも議論となっている。同様な実験法を用いるにもかかわらず、研究によって脳内で増加を示したり、減少を示すからである。 高血圧マウスを用いて注射した研究では、著しく5-ヒドロキシインドール類(セロトニンの分解物)が減少していたことが明らかになった。
研究者は、テアニンがグルタミン酸の興奮毒性を防ぐかもしれないとも予測している[13]。また、テアニンは脳内のアルファ波の生成を促進する[10]。ラットの研究を通じて、非常に高濃度テアニンを繰り返し使用しても心身ともに無害であることが明らかにされている[17]。
アメリカ食品医薬品局 (FDA)は、食品添加物としてテアニンをGRAS (一般に安全と認められる)に分類している。[18] 一方、ドイツの連邦リスク評価研究所 (BfR) は単離されたテアニンを飲料に添加することに反対している。またあるラットの実験では神経系の変性・衰退を防止する効果が見られた。テアニンは、脳梗塞を繰り返すことで引き起こさせたラットの記憶障害を防止するという実験結果が出ています。
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